|
『個人データベースを活用したマーケティング技術』
〜200万人会員データベースを活用した
エルゴ・ブレインズの目指すネット時代のマーケティング実態報告〜 |
|
株式会社エルゴ・ブレインズ
取締役 最高執行責任者 COO 竹之内 崇 氏
|
|
当日の様子はこちらから |
|
|
|
|
|
|
今回は
資料は
ありません |
|
|
|
|
57回目の今回は、潟Gルゴ・ブレインズ取締役 最高執行責任者COOの竹之内 崇氏を迎え、同社の展開するネット時代のデータベースマーケティングのノウハウについて、実例を交えてお話いただきました。
■EC時代のマーケティング
企業にとっての「マーケティングの役割」とは何でしょうか? 企業が抱える永遠の課題は、最大の財産である「顧客」すなわち消費者やクライアントを創造し、魅き付けて、保持することであるといえます。したがって、そのためには、継続的に魅力ある商品やサービスの提案を行い、顧客を満足させる必要があるわけです。
マーケティングとは、このような「顧客に魅力ある提案を企画し、顧客を満足させる活動全般のこと」を意味します。具体的には、市場調査、製品企画開発、流通施策、物流構築、広告、営業施策、販促活動などです。まずはこの基本的な考え方を理解した上で、今回は「EC時代のマーケティング」についてお話したいと思います。
はじめに、その現状を整理しておきましょう。通常の広告コミュニケーションを除く主要なプロモーションとして現在最も効果の高いものは、広告というよりも、むしろグーグルやヤフーOvertureなど「検索エンジンの活用」であるといえます。クリックオークション課金やSEOの実施で自社モールへ集客するこのビジネスモデルでポイントとなるのは、画面上に表示される商品名やカテゴリー、サービス(機能)などですが、マーケティングを行う上でこれらの膨大な情報をコントロールすることは、かなり困難といえます。
次にプロモーション効果の高いものとして、「比較サイト」が挙げられます。こちらは、商品ごとの価格比較に自社商品を掲載し、自社サイトへ集客するビジネスモデルで、価格コム、ECナビといった企業が有名です。比較サイトの狙いは結局のところ「価格」で、やはりマーケティングをコントロールすることは困難です。
さらに、ここ最近新たなプロモーションとして注目されているのが、「ブログ」や「掲示板」といった個人の評判と関連させたアフィリエイトなどのサービスです。ライブドア、サイバーエージェントなどこれらのサービスに力を入れている企業の名前は、皆さんもご存知でしょう。RSSリーダーの普及により、こうしたコミュニケーションサービスは、今後高い集客効果が見込まれる可能性があります。
以上、EC時代のプロモーションの現状についてお話ししましたが、上記の手法が1年後も同様に有効かといえば、必ずそうとは言い切れません。全く違った新しい手法が出てきて、そちらが主流になることも大いに有り得るのです。ネットビジネスを取り巻くマーケティングは、そのくらい猛スピードで進歩しており、「絶対的な手法」は常にないということを皆さんは肝に命じておいてください。
■ エルゴの目指すデータベースマーケティング
ところで、90年代以降マーケティングの主流は、これまでのマス、セグメント、ニッチマーケティングから、個人の顔を見てその人たちにカスタマイズされたサービスを提供する「ワン・トゥ・ワンマーケティング」へ移行しました。そこでキーとなるのは、各個人の嗜好等をデータとして蓄え、関連付けて活用する「データベースマーケティング」の考え方です。
データベースマーケティングには、大きく分けて商品基軸のSCM(サプライ・チェーン・マネージメント)と顧客基軸のCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネージメント)の二つがあり、エルゴ・ブレインズが目指すのは後者です。顧客の年齢、職業、家族状況、年収、趣味などのデータベースを基に最適なマーケティングを分析するこの手法において、狙いは以下の点にあります。
・行き届いた顧客サービスを提供する
・個々人の嗜好に合わせた製品とサービスを創造する
・個別化されたマーケティング・プログラムを開発する
・顧客一人ひとりと対話を行う
・顧客を収益性と嗜好とに分類し、自社の利益を支えるような顧客に特別な配慮を
行う
・見込み客に対してのマーケティング・プログラムを効果的に改善する
とはいえ、データベースとは、それを「集める」だけでは単なるデータにすぎず、「関連付ける」ことによって初めて意味を成します。エルゴ・ブレインズでは、例えば「33歳、男性、子持ち、マンション住まい…」というように、リレーショナルデータベースで情報を管理することにより、顧客の的確な状況を必要に応じた形で抽出できるようにしています。
これによって、新規顧客の獲得、最良の顧客の発見、顧客の状況に応じた情報発信、顧客情報の分類による情報発信、顧客の購入意欲の促進、実際のマーケティング・プログラムの構築といった様々な価値を得ることができます。冒頭でも述べたとおり、データベースの活用は顧客を創造し、魅き付けて、保持するという「マーケティングの役割」を、より効率的に顧客志向で実現することを可能にするものです。
■ エルゴのツールと運用成果
では、顧客データベースを使ったエルゴ・ブレインズのマーケティングとはどのようなものなのか、その中身を簡単に見ていきましょう。
一つ目は「Dream Mail」を使ったメール配信事業です。これは、企業が顧客や売上を『獲得』するためのソリューションの一つで、200万人を超える質の高い個人データベースを使った高品質なEメールマーケティングが展開されています。
加えて、「Direct Email」「Magsta」を使ったメルマガ等のメールメディア事業があります。こちらは、企業が顧客や売上を『保持』するためのツールであり、効果的なプロモーションやサービスとは何かということを企業に提案していきます。
二つ目に、顧客属性やEC購買履歴等、顧客を『知る』ためのツール「Target Research」を使ったインターネットリサーチ事業、そして、実際に商品をカタログ販売していくためのツール「Dream Catalog」を使ったEコマース事業があります。
このように、エルゴ・ブレインズでは、顧客を「獲得」→「保持」→「分析」→「次なる購買へ」といった流れに沿って、各種ツールを活用したマーケティングを展開しています。
現在、顧客データベースは200万人を超え、それらを随時アクティブな状態で運用できるような体制が整っていますが、竹之内氏は、戦略において重要視したことについて、実際に広告に反応した人を獲得する際、「インターネット初心者」に注目したといいます。つまり、会員数を増やすことが目的である初期段階では、やはりマスマーケティングが必要であるということです。また同時に、特定の企業との結び付きを深めることによって、長期的なリレーションをきちんと築いていくことも、基礎を固める上では非常に大切なことだといいます。
■データベースのクオリティ管理について
過去、エルゴ・ブレインズの登録者は、最大で約550万人ありましたが、現在は200万人を超える程度になっています。つまり、約350万人のデータベースは破棄されているわけで、古くなったものや使えないデータは極力リフレッシュするように心がけているといいます。
今後、データベースマーケティングを行う上で、最も重要な課題となってくるのは、やはり「個人情報保護」の問題です。個人情報保護法の施行によって、顧客の個人情報に対する意識は高まりを見せ、それに対して安心感を提供することが、企業として非常に重要になっています。エルゴ・ブレインズでは、2005年2月にプライバシーマークを取得し、データベースのクオリティ管理についても細心の注意を払っています。
2005.8.26
|